ポトフは、肉や野菜を一つの鍋で水や出汁で煮出すフランスの料理です。この伝統的な家庭料理を大野尚斗シェフは、具材やスープを別々に調理していくことでより洗練されたポトフにアレンジしています。
食材のメインになるのは、大崎牛のなかでも大野シェフが「すごくきめ細やかでやわらかく、サシも入っているのに、くどくなくてさらりと食べらる」というモモ肉を、フランスを代表する食材フォワグラを巻き込んで焼き上げます。
スープは、大崎牛のスネ肉でとった澄んだスープ「コンソメ」。今回は、コンソメのベースになるフォン(出汁)から丁寧にとっていきます。
世界35ヵ国以上を旅して、土地の食材を料理してきた大野尚斗シェフは、「大崎町の気候風土そのままといえるようなクリアなうま味がある」と絶賛する大崎牛を存分に味わってもらいたいとラグジュアリーな「ポトフ」を考案してくれました。
水が潤す食材の宝庫・鹿児島県大崎町
高隈山系の伏流水が豊富に流れ込み、豊かで清涼な水が里を潤すーー。鹿児島県の東部、大隅半島の東側に位置する大崎町は、鹿児島市内から車で3時間ほど。公共の交通機関でたどり着くのは困難な辺境の地です。
この豊かな自然に恵まれた大崎町では、全国的にも珍しい人工授精から繁殖、肥育を地域で一貫して行う和牛(黒毛和種)ブランド「大崎牛」や、温暖な気候を生かして栽培されるマンゴーやパッションフルーツなどのフルーツ、養蜂が盛んです。
2020年に初めて大崎町を訪れた料理人、大野尚斗さんは、「大崎町に湧く水のように、どの食材もピュアできれい。雑味を感じない」と、大崎町の食材のファンになったといいます。