スパイシーな粗挽きコショウをはりつけた分厚い牛リブロース肉の塊をフライパンだけで焼き上げる「ステック・オ・ポワーブル(steak au poivre)」は、フランスの伝統的なステーキ料理です。丁寧に焼き上げた肉は、うま味が強くジューシー。おもてなし料理にぴったりです。
付け合わせの「ジャガイモのリヨン風(ポム・ア・ラ・ リヨネーズ、pommes à la lyonnaise)」もステーキの付け合わせには定番のメニューです。
【テーマ】肉を焼く
フランス料理では「素材を焼く」とひと口にいっても、「焼き色をけながら火を通す」「焼き色をつけずに火を通す」「焼き色をつけてから液体で火を通す」という大きく分けて3つの伝統的な手法があります。今回のフライパンを使って焼く牛肉のステーキは、そのなかでも「焼き色をつけながら火を通す」に分類されます。
「焼き色をつけながら火を通す」のなかでも、オーヴンなどを使ってあぶり焼きにする「ロティール(rôtir)」や、香味野菜と一緒に肉を焼いたあとに蓋をしてオーヴンで蒸し焼きにする「ポワレ(poêlé)」、高温の油で揚げる「フリール(frire)」とさまざまな調理法があるのがフランス料理の真骨頂で、素材を加熱することこそフランス料理の根幹といえます。
そのなかでも今回のステック・オ・ポワーブルでは、高温のフライパンで焼く「ソテ(sauter)」という調理法を使っていきます。フランス料理だけでなく、世界各国の料理に通じる調理法ですので、マスターすれば牛肉だけでなく豚や鶏、羊などの肉も上手に焼けるよようになります。