フランスではアニョー(agneau)と呼ばれる生後300日以内の仔羊は、フランス料理ではもっとも高級な食材として知られています。今回、山内茂シェフが作るのは、パン粉にバター、グリュイエールチーズなどを混ぜ合わせてシート状にした生地を貼り付けて焼き上げた料理です。
山内茂シェフは、仔羊の背肉(キャレ、骨付きロース)を解体して、低温調理して食べる部分とソースに使う部分を切り出していくことから調理をスタートさせます。
ファスナー付きのプラスチック袋に入れて湯煎する低温調理の発想で火入れされた仔羊はとてもやわらかく、最後にかぶせのせてトースターで焼いたパン粉シートと、仔羊のジュ(汁)からとったソースはうま味は強いながらも軽やか。付け合わせの仔羊の端肉を使ったファルシィとも相性もよく、仔羊をまるごと楽しめるひと皿になっています。